猫は、その恋に奇跡を全振りしたい
*
「うーん……」
まどろみから覚めて、わたしは眠気を追い払うようにして目をこすった。
自分に寄り添うみたいにしていた、猫のぬいぐるみをそっと腕に抱く。
目を開けた時、わたしは慣れ親しんだ部屋にいた。
夢で聞いた猫の鳴き声が、微かに尾を引いて消える。
夢の余韻がまだ覚めやらない部屋は、いつもと同じようで、やはり違った。
「夢魂の力? でも、いつもと夢の終わり方が違った……」
言い知れない不安のせいで、全身汗でぐっしょりとぬれている。
胸の底が重い。
何だろう、これ。
この感じ。
「まるで、途中で途切れた……みたいだった……」
夢の残り香だけが身体中を纏っていた。
まだ、現状を消化しきれていない。
「それに……あの不思議な猫、何だったんだろう?」
不思議な猫が去った瞬間、夢が途切れたような気がする。
それにあの猫に会った時、幾ばくかの懐かしさを覚えた気がするのは何故だろう。
「夢のおはなしって……」
どこからが夢で、どこからが現か。
どれだけ考えても、今の状況に納得いく説明をつけることができなかった。
不思議な猫の姿は、非現実ワールドに片足突っ込んで、夢と現の境目がはっきりしない。
だけど、少なくとも、ただの夢と終わらせるには不思議に満ちていた。
「とにかく今日、学校に行ったら、渚くんに相談してみよう」
そう思い立つと、わたしはバタバタと学校に行く準備をする。
スマホを取り出し、渚くんに今回の夢について思ったことをメールを送る。
そして朝食を食べ終わると、鞄を手にして、急いで家を出た。
「うーん……」
まどろみから覚めて、わたしは眠気を追い払うようにして目をこすった。
自分に寄り添うみたいにしていた、猫のぬいぐるみをそっと腕に抱く。
目を開けた時、わたしは慣れ親しんだ部屋にいた。
夢で聞いた猫の鳴き声が、微かに尾を引いて消える。
夢の余韻がまだ覚めやらない部屋は、いつもと同じようで、やはり違った。
「夢魂の力? でも、いつもと夢の終わり方が違った……」
言い知れない不安のせいで、全身汗でぐっしょりとぬれている。
胸の底が重い。
何だろう、これ。
この感じ。
「まるで、途中で途切れた……みたいだった……」
夢の残り香だけが身体中を纏っていた。
まだ、現状を消化しきれていない。
「それに……あの不思議な猫、何だったんだろう?」
不思議な猫が去った瞬間、夢が途切れたような気がする。
それにあの猫に会った時、幾ばくかの懐かしさを覚えた気がするのは何故だろう。
「夢のおはなしって……」
どこからが夢で、どこからが現か。
どれだけ考えても、今の状況に納得いく説明をつけることができなかった。
不思議な猫の姿は、非現実ワールドに片足突っ込んで、夢と現の境目がはっきりしない。
だけど、少なくとも、ただの夢と終わらせるには不思議に満ちていた。
「とにかく今日、学校に行ったら、渚くんに相談してみよう」
そう思い立つと、わたしはバタバタと学校に行く準備をする。
スマホを取り出し、渚くんに今回の夢について思ったことをメールを送る。
そして朝食を食べ終わると、鞄を手にして、急いで家を出た。