猫は、その恋に奇跡を全振りしたい
「わたし、やっぱり、渚くんのことが好き。世界で一番、大好き。これから先もずっと、そばにいてほしい!」
そう言い切ると、渚くんへの愛おしさが余計に募る。
嬉しさに、胸がふわふわと満たされた。
「……お願い。渚くんの答えを聞かせて……」
「冬華……」
わたしはきっと欲張りなのだ。
一人でいた時には思うこともなかった願いは、不思議と心地よさしかない。
「ああ……そうだ。冬華はいつだって、その瞳の奥で安東を見つめている」
渚くんは何かを諦めたように深い息を吐いた。
「小さな幸せの見つけ方。笑顔が連鎖すること。幸せは誰かに届けられるということ。冬華はたくさんのことを、俺に教えてくれた」
「渚くん……」
魂と魂が惹かれ合い、見えない糸同士を紡ぎ合うように。
わたしたちの恋は弾けそうな鼓動を胸にもたらす。
「夢の中で、俺を見つけてくれたのは……冬華だ。俺が好きになった冬華なんだ……」
渚くんの柔らかな言葉は、わたしにとって、いつも以上に心に染み入る。
まるで、福音のような響きを持っていた――。
「俺の目的は、俺を――安東渚を死なせないこと。猫巡り部に入部したのは、俺のロスタイムを長引かせるためだ」
渚くんの決死の覚悟は、わたしの心の一番深いところまで届いた。
「どれだけ克也に否定されたって、この想いは変わらないよ。これからの時間を冬華とともに、ずっと生きていきたい。そう思わせてくれたのは、冬華なんだよ」
きっと、今の渚くんが望むことは、わたしが思い出したくないことを引きずり出すことでも、その苦しみを分かち合うことでもない。
ただ、自分がしたいと思うことを伝えたいだけだ。
「俺は、冬華の幸せを願っている。冬華の笑顔を失いたくない。冬華が安東を望むなら、俺はこのまま、最後まで安東渚として生きていたい」
そう告げた渚くんの眼差しはとても優しい。
先の会話も相まって、わたしには片時も離れたくないと言われているようで昂揚する。
心まで、渚くんに埋め尽くされていく。
「ねえ、冬華。これが俺の答えだよ。冬華の答えを聞かせて。今度はちゃんと受け止めるから」
「……うん、望むよ! 渚くんは、わたしのすべてだから!」
感情だけが先走るような、そんな不思議な感覚。
それを確かめるようにわたしは答えた。
「……好き。今も昔も変わらない。渚くんが大好き……!!」
幸せは続いていく。
自分が意図して止めなければ、どこまでだって連鎖する。
「冬華の幸せが、俺の幸せだ。そのためなら、俺は――」
渚くんが噛みしめるように、両腕を目いっぱいに伸ばした。
わたしの想いすべてを包み込むように。
そんな迷いなき想いに、わたしは涙を浮かべて渚くんに抱きつこうとして――。
そう言い切ると、渚くんへの愛おしさが余計に募る。
嬉しさに、胸がふわふわと満たされた。
「……お願い。渚くんの答えを聞かせて……」
「冬華……」
わたしはきっと欲張りなのだ。
一人でいた時には思うこともなかった願いは、不思議と心地よさしかない。
「ああ……そうだ。冬華はいつだって、その瞳の奥で安東を見つめている」
渚くんは何かを諦めたように深い息を吐いた。
「小さな幸せの見つけ方。笑顔が連鎖すること。幸せは誰かに届けられるということ。冬華はたくさんのことを、俺に教えてくれた」
「渚くん……」
魂と魂が惹かれ合い、見えない糸同士を紡ぎ合うように。
わたしたちの恋は弾けそうな鼓動を胸にもたらす。
「夢の中で、俺を見つけてくれたのは……冬華だ。俺が好きになった冬華なんだ……」
渚くんの柔らかな言葉は、わたしにとって、いつも以上に心に染み入る。
まるで、福音のような響きを持っていた――。
「俺の目的は、俺を――安東渚を死なせないこと。猫巡り部に入部したのは、俺のロスタイムを長引かせるためだ」
渚くんの決死の覚悟は、わたしの心の一番深いところまで届いた。
「どれだけ克也に否定されたって、この想いは変わらないよ。これからの時間を冬華とともに、ずっと生きていきたい。そう思わせてくれたのは、冬華なんだよ」
きっと、今の渚くんが望むことは、わたしが思い出したくないことを引きずり出すことでも、その苦しみを分かち合うことでもない。
ただ、自分がしたいと思うことを伝えたいだけだ。
「俺は、冬華の幸せを願っている。冬華の笑顔を失いたくない。冬華が安東を望むなら、俺はこのまま、最後まで安東渚として生きていたい」
そう告げた渚くんの眼差しはとても優しい。
先の会話も相まって、わたしには片時も離れたくないと言われているようで昂揚する。
心まで、渚くんに埋め尽くされていく。
「ねえ、冬華。これが俺の答えだよ。冬華の答えを聞かせて。今度はちゃんと受け止めるから」
「……うん、望むよ! 渚くんは、わたしのすべてだから!」
感情だけが先走るような、そんな不思議な感覚。
それを確かめるようにわたしは答えた。
「……好き。今も昔も変わらない。渚くんが大好き……!!」
幸せは続いていく。
自分が意図して止めなければ、どこまでだって連鎖する。
「冬華の幸せが、俺の幸せだ。そのためなら、俺は――」
渚くんが噛みしめるように、両腕を目いっぱいに伸ばした。
わたしの想いすべてを包み込むように。
そんな迷いなき想いに、わたしは涙を浮かべて渚くんに抱きつこうとして――。