逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「蓮くんが飲まないなら、僕もビールはやめて、その……くらんどコーラってやつをもらおうかな」

「クラフトよ、クラフト」おばあちゃんが笑って訂正する。

「じゃあ今度は、クラフトジンジャーエールのお取り寄せを奢ってもらうわね」

 私は甘い食べ物は好きだけど、甘い飲み物はあまり得意ではない。そこで自分用に緑茶を淹れようとキッチンに立った。

 茶葉を蒸らしながら、蓮さんも緑茶好きだったことを思い出す。お客様用の湯呑みに丁寧に一煎目を注ぎ、席へ戻った。

「蓮さん、お茶もどうぞ」

「ありがとう」

 湯呑みを置こうとしたそのとき、蓮さんの指がふいに動いて、ほんの一瞬、私の手に触れた。

 たったそれだけのことなのに、胸に小さな灯がともるような感覚が走り、私は咄嗟に手を引っ込める。

 意識しすぎて、心臓の音が急にうるさくなる。どうか伝わりませんように──そう願いながら、何事もなかったふりで席に戻った。

 私の動揺など気づいていない様子で、家族はいつも通りの空気のまま、和やかに食卓の準備を進めていた。
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