逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 代わりに口をついて出たのは、ずっと胸の奥にしまっていた──誰にも言ったことのない、本当の気持ちだった。

「この人は……私のいちばん大切な人です」

 和樹はしばらく私と蓮さんを見比べ、やがて小さく息を吐いて視線を外すと、無言のまま座敷へと向かった。

 ふすまが閉まった瞬間、「おー、和樹が来たー!」という仲間たちの明るい声が内側から弾ける。

 その歓声に、私はふと我にかえった。そして──私はまだ蓮さんに抱き寄せられていることに気づき、慌てて体を起こした。

「あ、ありがとう」

「彼が、十年間好きだった人?」

「……うん。でも、記憶の中の和樹とは、ちょっと違ってた」

 友達として積み重ねた時間が、少しだけ遠ざかった気がして、胸の奥に切なさがにじむ。

 ふと視線を上げると、蓮さんと目が合った。彼は穏やかに微笑みながら──私の額に自分の額をそっと重ねてきた。

「な、何? 近いよ……」

 頬が一気に熱くなる。蓮さんはそのまま、私の髪に頬を寄せて、耳元でそっと囁いた。

「さっき……大切な人って、言ってくれた?」

 胸の鼓動が早まって、息すら忘れそうになる。言葉なんて、とても出てこない。私はただ、固まることしかできなかった。
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