逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 座敷からは、和樹の到着を祝う三度目の乾杯の声が、賑やかに響いてくる。人気者の彼は、もう私に構うことはないだろう。

「れ、蓮さん。そろそろ、戻ろう……」

 そう言って背を向けようとした瞬間、蓮さんが不意に私に覆いかぶさってきた。

 抱きしめられた? ……でも、何か違う。ずしりと重い。これは……もたれかかられてる?

「蓮さん?」

 おそるおそる覗き込むと、彼は目を閉じ、眉間にしわを寄せていた。かすかに漂うお酒の香り……酔ってる。

 スリムだけど筋肉質な蓮さんの体は、意外と重い。どうにか座らせたいけど……どうしよう。

 そのとき、ふすまが開いて、明日香ちゃんが顔を覗かせた。

「薫、和樹が来たからもう一度乾杯するって……って、どうしたの!?」

「蓮さん、お酒を飲んじゃったみたい。普段は飲まないのに……」

 彼女は眉をひそめてから、ふと何かを思い出したように声を落とす。

「そういえばさっき、果歩のところにドリンクが二つ届いたの。ソフトドリンクとアルコール……で、果歩、ノンアル目印のマドラーを入れ替えてた気がする」
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