逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
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私は都内では運転しないので、道に詳しくはないが、車が首都高から東名高速に入ったことは、なんとなくわかった。蓮さんはずっと無言でハンドルを握っている。
カーオーディオから流れる軽快なジャズとは裏腹に、車内にはどこか張り詰めた空気が漂っていた。まるでピアノやサックスの音までもが、窓の隙間からすり抜けていくような……そんな感覚だった。
「蓮さん、今日って……鎌倉じゃないの?」
明らかに鎌倉を通り過ぎた地点で、ようやく私は口を開いた。
「ああ、ごめん。話してなかったね。……母は、大磯の別荘で暮らしているんだ」
「大磯って、西湘の?」
蓮さんは小さく頷く。
蓮さんのお父さんが鎌倉に住んでいると聞いていたから、お母さんもてっきり同じだと思っていた。でも、別荘に住んでいるってことは……別居?
聞いてみたい気持ちはあった。でも、蓮さんはそれ以上何も語らず、ただ前を見据えたまま運転を続けている。いつも穏やかな横顔が、今日はどこか硬い。
初めて出会ったときに彼が見せていた、あの氷のように冷たい表情を、私はふと思い出した。
私は都内では運転しないので、道に詳しくはないが、車が首都高から東名高速に入ったことは、なんとなくわかった。蓮さんはずっと無言でハンドルを握っている。
カーオーディオから流れる軽快なジャズとは裏腹に、車内にはどこか張り詰めた空気が漂っていた。まるでピアノやサックスの音までもが、窓の隙間からすり抜けていくような……そんな感覚だった。
「蓮さん、今日って……鎌倉じゃないの?」
明らかに鎌倉を通り過ぎた地点で、ようやく私は口を開いた。
「ああ、ごめん。話してなかったね。……母は、大磯の別荘で暮らしているんだ」
「大磯って、西湘の?」
蓮さんは小さく頷く。
蓮さんのお父さんが鎌倉に住んでいると聞いていたから、お母さんもてっきり同じだと思っていた。でも、別荘に住んでいるってことは……別居?
聞いてみたい気持ちはあった。でも、蓮さんはそれ以上何も語らず、ただ前を見据えたまま運転を続けている。いつも穏やかな横顔が、今日はどこか硬い。
初めて出会ったときに彼が見せていた、あの氷のように冷たい表情を、私はふと思い出した。