逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
キッチンは、映画に出てくるようなアイランド型で、リビングとひと続きになっていた。私はシンクを借りてミントを洗い始め、蓮さんは南部鉄器のケトルを火にかけ、ティーポットとカップを並べる。
「ちょっと、地下のパントリーに、メープルシロップを取りに行ってくるわね」
そう言って、お母さんが部屋を後にする。
水切りカゴの場所を聞こうと蓮さんを振り返った私は、ふと動きを止めた。彼が、お母さんの背中をずっと見送っていたのだ。
眉間にわずかな影を落としたその横顔には、どこか不安げな色がにじんでいて──私は、胸の奥に小さなざわめきを感じた。
「……水切りカゴ、ある?」
声をかけると、蓮さんははっとしたように振り向き、「ああ、あるよ」と言ってカップボードからステンレスのザルを取り出す。そして私の背後に近づき、耳元でそっとささやいた。
「そういえば、明日香ちゃんのリンゴ、会社ですごく好評だったよ。ありがとう」
その声の近さに、思わず胸が高鳴った。動揺を隠すために、私は洗い終えたミントを手のひらに乗せて、思い切り叩いた。
パン!と大きな音が響き、蓮さんが驚いたように身を引く。
「……何してるの?」
「こうすると、香りが立つの。おばあちゃんがいつもやってるから」
蓮さんがこれ以上近づかないように、私は立て続けにミントの葉を叩く。お茶の香りが引き立つし、蓮さん避けにもなる。まさに一石二鳥だ。
「ちょっと、地下のパントリーに、メープルシロップを取りに行ってくるわね」
そう言って、お母さんが部屋を後にする。
水切りカゴの場所を聞こうと蓮さんを振り返った私は、ふと動きを止めた。彼が、お母さんの背中をずっと見送っていたのだ。
眉間にわずかな影を落としたその横顔には、どこか不安げな色がにじんでいて──私は、胸の奥に小さなざわめきを感じた。
「……水切りカゴ、ある?」
声をかけると、蓮さんははっとしたように振り向き、「ああ、あるよ」と言ってカップボードからステンレスのザルを取り出す。そして私の背後に近づき、耳元でそっとささやいた。
「そういえば、明日香ちゃんのリンゴ、会社ですごく好評だったよ。ありがとう」
その声の近さに、思わず胸が高鳴った。動揺を隠すために、私は洗い終えたミントを手のひらに乗せて、思い切り叩いた。
パン!と大きな音が響き、蓮さんが驚いたように身を引く。
「……何してるの?」
「こうすると、香りが立つの。おばあちゃんがいつもやってるから」
蓮さんがこれ以上近づかないように、私は立て続けにミントの葉を叩く。お茶の香りが引き立つし、蓮さん避けにもなる。まさに一石二鳥だ。