逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「女と会ってたの?」

 松本さんは一瞬、驚いた顔をした。

「なーんだ、知ってたんですね。そう、珍しく当日に半休取ったかと思ったら、すっごい美人と腕組んで帰って行きました。彼女に会えるのが、よっぽど楽しみだったんでしょうね。女子社員たちがこぞってやる気をなくして、今日の業務は全滅です」

 私は少し不安になった。まさか、蓮さんに限って、二股なんて……。

 いや、もしかすると、二股ですらないかもしれない。あの最初のキスは、寝ぼけた蓮さんが、彼女にしているつもりだったとしたら……。

 そう思い始めてしまうと、悪い想像が止まらなくなる。私がキスを返したせいで、蓮さんとしては応えざるを得なかったのかもしれない。

 でも、昨夜の蓮さんは……ベッドで何度も私の名前を呼んでくれた……。

 それとも、もしかしてそういうもの? 別に好きな人がいたとしても、そういうシチュエーションになったら、とりあえず目の前の人の名前を呼ぶのが礼儀なの?

 私は頭を抱えた。経験値が不足しすぎていて、何が正解なのかまったく分からない。
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