逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 ポーチに入り、少し迷ってからチャイムを鳴らす。鍵は持っていたが、万が一……ショッキングな場面に遭遇したら、私は一生立ち直れなくなるかもしれない。

「はーい」と明るい声が聞こえ、しばらくしてドアが開いた。鼓動が早くなる。あの女性だ。

「どちら様ですか?」

 彼女は小首をかしげ、穏やかに尋ねてきた。とても美しい人で、私の心臓の音はさらに早くなった。

「あの……椿井と申します。今、蓮さんは……?」

 彼女は「ああ!」と声を上げ、思わずこちらがドキッとするような、華やかな笑顔で言った。

「契約結婚相手の薫さんね。彼は今、ちょっと買い物に出ているの。もうすぐ帰ると思うけど」

 思わず目を見開いた。契約結婚のことを知っているの?

「……手帳を、忘れちゃって。それを取りに来たんです」

 私は無理に笑顔を作りながら答えた。彼女は口元に柔らかな笑みを浮かべ、ドアを開けて「どうぞ」と招き入れた。

「すごい雨ね。薫さん、髪が濡れちゃってる」
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