逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 本当は、胸が裂けるほど苦しいけれど、それでも、傷つく資格なんて私にはない。

 私にできるのは、ただ淡々と、役目を果たすことだけ。

 それがきっと、蓮さんのためであり、理央さんのためにもなるのだから。

「薫──」

 蓮さんが立ち上がり、私に近づこうとした。私も席を立ち、思わず後ずさる。それを見て、蓮さんも歩みを止めた。

 少しの沈黙のあと、彼は静かに口を開いた。

「……この間の夜のこと。後悔、している?」

 それは、とても残酷な質問だった。

 だけど、大好きだったこの人に、最後に一度だけ、正直な気持ちを伝えたいと思った。好きとは言えないけれど、私がいつも蓮さんからもらっていた、陽だまりのように温かくなる気持ちを。

 私は静かに深呼吸をして、心を落ち着かせる。

「蓮さんと過ごした時間の中で、後悔していることなんてひとつもない。全部……私の宝物だよ」

 そうだ、それが私の本当の気持ちだ。

「ただ……間違えちゃったなって、思っているだけ」

 こらえきれなくなって、ついに涙がこぼれ落ちた。だけど、私はそれを隠そうとはしなかった。
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