逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 すると後ろから、知里さんの声が響いた。

「そのおかげで、あのシナリオを書けたんだからいいじゃない」

 私は驚いて、知里さんを振り返る。

「まさか知里さん、知ってたんですか……?」

 知里さんは腕を組み、椅子の背もたれに寄りかかって言った。

「ちょっと、誤解しないでよ。私もそこまでひどくはないわ。私が知ったのは、あなたがドラフトの感想を聞きに会社に来た翌日よ。出雲くんが、薫は何か誤解をしてないかって聞いてきて、それで知ったの」

 そして、ちょっと皮肉げな笑みを浮かべ、蓮さんに向かって言った。

「その節は、浮気男とか二股男とか、責め立てちゃってごめんなさいね。でも、出雲くんが恋人とイチャイチャしながら歩いてたって、会社中の噂になってたくらいだから、薫が誤解するのも無理ないわ」

 蓮さんは手を上げて、すまないというようなジェスチャーをした。どうやらビジネスモードのクールさを取り戻そうとしているみたいだったけど、照れているせいでどこかぎこちなく、微笑ましいくらい完全に失敗していた。

「でも……知里さん、どうして知った時点で教えてくれなかったんですか?」
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