逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「でも、兄さんが卒業したら、やっぱり耐えきれなくてね。父に頼み込んで、カナダの高校に編入したの。公立高校(パブリックスクール)だったから、うちとは比べ物にならないくらい家庭に問題がある友達にもたくさん出会った。でも、みんな『家族と私』を分けて接してくれるから、すごく楽だった」

 理央さんは、手に持った専門書をパラパラとめくった。どのページにも、何本ものハイライトが引かれ、余白には筆記体で、ものすごい量の書き込みがしてあった。

「それでも、やりきれない気持ちを誰かに聞いてほしいこともあって、そんなときにはいつもスクールカウンセラーのところに行ってたの。それで、話すことでこんなに楽になれるんだと実感して、私もカウンセラーを目指そうって思ったんだ」

 理央さんは、曇りのない笑顔を浮かべた。──過去の苦しみをしっかりと乗り越えたからこそ、こんなふうに清々しく笑えるのだろう。
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