逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 祐介は唐揚げと煮物をつまみにビールを飲んでいたので、私はウーロン茶と冬野菜の煮浸し、それに大根サラダを注文する。

「姉ちゃんさすが。ここの煮浸しが美味いって、なんでわかった?」

「メニューから文字が浮き上がって、キラキラ輝いて見えたからね」

 私は軽い冗談を返した。実際は、入口の目立つ場所に「常連様大絶賛のおすすめメニュー!」と大きく書かれていたのを見て選んだのだけれど。

「で、祐介。彼女に振られたんだって? ええと、ゆりちゃん?」

 祐介は自分の煮物を小皿に取り分けて、私に差し出しながら答えた。

「ゆりちゃんって、いつの時代の話だよ。ゆりちゃんの次がれいちゃんで、超短期間のまどかちゃんを挟んで、昨日俺を追い出したのが、かなえちゃん」

「ああ、そうですか」

 あまりにもめまぐるしい展開に呆れつつ、私は差し出された煮物を一口食べてみた。出汁がふわりと広がり、思わず感嘆の声を上げてしまう。

「これ……すごく美味しいね」

 祐介は得意げにニヤリとする。

「でしょ。ほんとに、なにを食べても美味しいんだ。自炊しない日は、たいていここで食べてる」
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