逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「椿井ちゃーん、入って入って」
先生は満面の笑みを浮かべて私を招き入れると、銀のプレートに載せたボンボン・ショコラを差し出した。
「これはエスプレッソのガナッシュ、こっちがフランボワーズのフィリング入りよ。椿井ちゃんに食べてもらおうと思って、先生、デパ地下のショコラティエで張り切って買ってきちゃったわ」
この声──甘えるように浮ついた猫なで声──は、先生が無理を通そうとするときの合図だ。エスプレッソ味のショコラには興味を引かれたが、私は少し警戒して「ありがとうございます」とだけ答えて、手は伸ばさなかった。
「先生、今日はお時間をいただきまして──」
「ああ、椿井ちゃんは庶民だもんね、高級品よりもこっちのほうがいいか! はい、ご当地土産のお菓子」
そう言って先生は、今度は「北海道限定! じゃがバタ味」と書かれたスナック菓子を差し出した。それは北海道旅行に行った社員が全員に配っていたもので、同じものは私の引き出しにも入っている。
「あと、椿井ちゃんにあげられるものは……ええと……」
「先生、来月いっぱいで退社したいと思っています」
先生は満面の笑みを浮かべて私を招き入れると、銀のプレートに載せたボンボン・ショコラを差し出した。
「これはエスプレッソのガナッシュ、こっちがフランボワーズのフィリング入りよ。椿井ちゃんに食べてもらおうと思って、先生、デパ地下のショコラティエで張り切って買ってきちゃったわ」
この声──甘えるように浮ついた猫なで声──は、先生が無理を通そうとするときの合図だ。エスプレッソ味のショコラには興味を引かれたが、私は少し警戒して「ありがとうございます」とだけ答えて、手は伸ばさなかった。
「先生、今日はお時間をいただきまして──」
「ああ、椿井ちゃんは庶民だもんね、高級品よりもこっちのほうがいいか! はい、ご当地土産のお菓子」
そう言って先生は、今度は「北海道限定! じゃがバタ味」と書かれたスナック菓子を差し出した。それは北海道旅行に行った社員が全員に配っていたもので、同じものは私の引き出しにも入っている。
「あと、椿井ちゃんにあげられるものは……ええと……」
「先生、来月いっぱいで退社したいと思っています」