逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 それを聞いて、蓮さんは何かを思い出したようにしばらく考えてから、口を開いた。

「そういえば、『田舎の生活』の安斎さん、薫と同じ職場だったんだね。薫の会社名、聞いてなかったから気付かなかった」

 会社名を言ってもピンとこない人が多いので、私はいつも自分の会社を説明するときには、「ドラマの『きみの愛だけは失くせない』の脚本をつくっているところ」と言うことにしていた。

「僕が『田舎の生活』の話をしたときに、言ってくれればよかったのに」

 蓮さんは私の顔を覗き込む。

「そ、そうだね、ごめん」

 ぎこちなさがバレないように、笑顔で答える。「それにしても」と、蓮さんは続けた。

「これを機にスターダムを駆け上がることだってできるだろうに、安斎さん、『インスタント・グルーヴ』以外のインタビューには応じないんだよな。どうしてだろう」

 射抜くような瞳で、蓮さんは私をまっすぐ見つめた。

「もしかして安斎さん、何か事情を抱えている?」
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