逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
そのとき、知里さんがふいに手のひらを上げて、私の言葉を制した。そして、少しだけ眉をひそめて、静かに問いかける。
「……祐介くんが春木だとしたら、須賀くんは……?」
あ、まずい。ここで本人不在のまま伝えたら、いろいろ面倒になるかも。
どう切り出すか迷っていると、ようやく笑いを収めた蓮さんが、目元の涙を指で拭いながら、光沢スーツの松本くんに視線を向けた。
「そのことなら、松本くんから」
「はい、ええと……広瀬さん。僕、雛野あさひ先生のピュアキュン小説の映像化をお願いしようと思って、担当編集に連絡したんです。そしたら『先生は今、館詰中だから直接電話してみて』と番号を教えてもらって……」
松本くんはスマホを操作し、通話をスピーカーに切り替える。三回のコールのあと、存在感たっぷりで華やかなバリトンが会議室に響き渡った。
「──やあ、電話をくれて光栄だ。あいにく僕は今、原稿と静かに語らっている最中でね。物語を紡ぐことは、自分自身を探る旅でもある。もう少しだけこのラビリンスを──」
やばい。私は祐介と視線を合わせた。
通話を切ったあと、松本くんは戸惑った表情で蓮さんを振り返る。
「番号は合ってるけど……これ、本当に雛野先生ですかね?」
私と祐介は再び顔を見合わせ、知里さんの様子をそっとうかがう。
彼女はしばらく呆然としていたが、やがて頬を染め、視線を宙にさまよわせた。
「知里さん?」
「……祐介くんが春木だとしたら、須賀くんは……?」
あ、まずい。ここで本人不在のまま伝えたら、いろいろ面倒になるかも。
どう切り出すか迷っていると、ようやく笑いを収めた蓮さんが、目元の涙を指で拭いながら、光沢スーツの松本くんに視線を向けた。
「そのことなら、松本くんから」
「はい、ええと……広瀬さん。僕、雛野あさひ先生のピュアキュン小説の映像化をお願いしようと思って、担当編集に連絡したんです。そしたら『先生は今、館詰中だから直接電話してみて』と番号を教えてもらって……」
松本くんはスマホを操作し、通話をスピーカーに切り替える。三回のコールのあと、存在感たっぷりで華やかなバリトンが会議室に響き渡った。
「──やあ、電話をくれて光栄だ。あいにく僕は今、原稿と静かに語らっている最中でね。物語を紡ぐことは、自分自身を探る旅でもある。もう少しだけこのラビリンスを──」
やばい。私は祐介と視線を合わせた。
通話を切ったあと、松本くんは戸惑った表情で蓮さんを振り返る。
「番号は合ってるけど……これ、本当に雛野先生ですかね?」
私と祐介は再び顔を見合わせ、知里さんの様子をそっとうかがう。
彼女はしばらく呆然としていたが、やがて頬を染め、視線を宙にさまよわせた。
「知里さん?」