逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 祐介にとっても、あの時間はきっと、大きな節目になったのだろう。

 帰り道、彼は足取りも軽く、「ちょっと寄り道していい?」と言ってスーパーへ向かった。そしてカゴを手に取りながら私を振り返り、人差し指を立ててこう言った。

「感謝とは、まず食卓に並べるものである」

「それ、誰の格言?」と笑いながら尋ねると、祐介は親指を自分に向け、得意げに言った。

(ミー)!」

 久しぶりに見る、祐介のうきうきとした笑顔。なんだか私まで嬉しくなった。

 そして私たちは、両手いっぱいに食材を抱えて家に戻った。祐介はおばあちゃん直伝のレシピから六品を選び、ひとつずつ丁寧に仕上げて、テーブルに並べてくれたのだった。

 「おばあちゃんの味、楽しみだよ」

 蓮さんが優しく微笑んで言うと、祐介は満足げに頷く。

「じゃ、俺はそろそろ伊吹のとこ行くわ。住む場所が決まったら連絡するから」

 祐介がボストンバッグを肩にかけた瞬間、私と蓮さんは驚いて声をそろえた。

「え、祐介、ごはん一緒に食べようよ」
「まだ、ここにいていいんだよ?」

 祐介は振り返り、人差し指を立てて「チッチッチ」と横に振る。

「二人とも、俺のこと甘やかしすぎ。もう十分お世話になったしさ、これ以上、お二人の時間を邪魔したりしないから!」

 私と蓮さんは思わず視線を交わし、そして、少し照れて同時に視線を外した。
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