一途な気持ちは今日も(※3話目大幅編集につき非公開)
「ち、違います……!」
「はいはい。そう言うことにしておいてあげる」
「違いますってば〜〜」
そんな何でもない会話が本当に久しぶり過ぎて、やっぱり麻衣さんと一緒にいるのって楽しいなぁって改めて思った。
会社の外に出ると秋の冷たい風が鼻先を撫でる。
「朝晩寒くなってきたよね」
麻衣さんの言葉を聞き、夜空に向かって息を吐くけど全然白くならない。
やっぱりまだ早いか。
「今年もあと少しで終わっちゃいますね」
「気が早いって。まだ一大イベントが待ってるよ」
何のことを言ってるのかわからなかったのは、ほんの10秒ほど。
すぐに理解した私は麻衣さんに向かって深々と頭を下げた。
「クリぼっちなので私とデートしてください」
「嫌よ」
「何で!?」
「私なんかよりあの人誘いな?」
まさかそんな言葉が返ってくるとは思わなくて、一瞬で思考が飛んでいった。