ごめん嘘、君が好き。
悲しそうな表情。
ポーカーフェイスのくせに塔原は時々普段からは考えられないくらいわかりやすい反応をする。

「別に、私が怖いって思ってるわけじゃないわよ。ただ、一般論を言っただけ。」

そう、ただの一般論。

私から見たら今みたいな表情だって、可愛く見えてしまう。
でもそんなこと本人には絶対言わない。

「じゃあ、高槻は俺のこと怖いって思ってるわけじゃねぇんだな?良かった。」

あーもう、そういうことは好きじゃない女子に言わないで欲しい。

違うってわかっててもちょっとだけ期待しそうになるから。

もしかしたら塔原も...って
そんなことある訳ないじゃない。
ほんと…馬鹿みたい。

「塔...は、...原はど......の?」

塔原に聞こえていなければいいと思いながら聞こえるか聞こえないかの声量で呟く。

「ん?何の話?高槻、今俺の事呼んだよな?」

...なんで聞こえるのよ。
この、地獄耳め。

「なんでもないわよ。」

うるさい、聞き返してこないで。

「なんでもねぇって感じゃないだろ。」

そういう心配なんか...いらないわよ。

「ほんとに、なんでもないから。」

「じゃあなんで!なんで、泣きそうなんだよ...」

私が泣きそう?

「な、何言って...泣きそうなんかじゃ...」

スッ...

冷たいものが頬を伝う。

「あれ、おかしいわね…涙…?なんで私泣いてるの?」

本当に意味がわからない。
急に泣きだしたら塔原だってどうしたらいいか分からなくなるのに。

「ちょっと待って、泣き止むから。」

そうは言ってもなかなか涙は止まってくれない。
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