ごめん嘘、君が好き。
今の私には次々に流れてくる涙を止めることが精一杯。

ぼろぼろと流れる涙と一緒に嗚咽が漏れる。

「なんで…なんで止まんない…のよばか…」

涙に当たっても仕方ないのに。

「高槻」

名前を呼ばれたと思った瞬間ふわりと何かが私をおおう感覚がした。

「え…?どうして、」

どうして塔原が私を抱きしめているの?

「なにやって…離して」

身をよじって拒んでもますます強い力で抱きしめてくるだけ。

「理由、話すまで離さないから。」

耳元で塔原の声聞こえる。

理由なんて言えるはずない。
きっと、いや絶対塔原のことを困らせる。

そう思っていたのに意思とは裏腹に
「全部、塔原のせいなんだから」
そう口に出していた。

言っちゃった。
1度口を滑らせてしまうと自分を縛っていた鎖が溶けるようで次々と言葉が溢れてくる。

「塔原が一ノ瀬さんのことばかり話すのが悪いのよ。私の気持ちなんて考えたことなかったでしょ?」

こんなの告白と変わらない。
これまで良き相談相手だと思っていた相手から急にそんな告白まがいなこと言われて塔原は今どんな表情しているのだろう。

きっと引かれているわね。
もういいわ、それならいっそ最後まで言ってやる。

「私は、塔原のことが…」

「待って」

告白、遮られた。
そうよね 好きでもない女子に告白されるとか面倒なことでしかないもの。

「あのさ、今高槻が頭ん中で何考えてんのか知らねぇけど、多分その逆。」

逆?
塔原が何を言っているのか理解出来ない。

「何のこと?逆ってどういうことなの?」

いつの間にかあれほど流れていた涙も止まっていた。

「俺が変なこと言ってんのは分かってるよ。でも、これだけは聞いて欲しい。」

何を言われるかは分からない。
それでも聞けば何かが変わる気がする。

だから私は黙ったまま頷いた。
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