ごめん嘘、君が好き。
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ようやく頬の熱が引いてきたところで

「じゃ、帰るか?」

と、落ち着きを取り戻した塔原がいつも通りの様子でそう聞いてくる。

「そうね。時間も遅いし早く帰りましょ。」

2人で教室を出る。

教室の中には他の子の鞄が置いてあるからとりあえず鍵を閉めないでいることにした。

塔原いわく、「閉めて開けて来いって言われる方が面倒だろ?」らしい。

じゃあ「開けたままで閉めて来いって言われる場合は?」と思ったけどそこで議論するのも面倒だからやめておく。

そのまま帰ろうと昇降口へ歩いていると、タタタタタッ と廊下を走る音が聞こえた。

誰?
そう思って振り返ろうと視線を動かすとなぜか固まっている塔原がみえた。

そう思った矢先、

「りっくぅっ!」

ドーンと体当たりするような勢いで1人の小柄な子が塔原めがけて飛んできた。

ただ塔原自身は涼しい顔で スッ と横に避けたので、その子はゴンッと鈍い音を立てながら廊下に転がり「いったぁ」とうめくことになった。

さすがに可哀想になって「大丈夫?」とその子に声をかけようとすると

「あーいいよ、そいつ放っておいて。」

という塔原の声が聞こえたけど無視することにした。

「あの、大丈夫?」
そう言って手を差し出す。

「ありがと〜!もう、睦ってひどいよね!」
口をふくらませてぷんぷん怒りながらその子は差し出した私の手につかまった。

それにしても、この子どこかで見たことあるような…。

「あのなぁ、変なこと吹き込むなよ“一ノ瀬”。」

あ、そうそうこのぱっちりとした二重まぶたにくりっとした大きな目、そして赤いぷっくりとした唇。

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