ごめん嘘、君が好き。
「はー、やっと落ち着いたー。霞ちゃん、睦、邪魔しちゃってごめんね。」

手をぱちんと顔の前で合わせ、一ノ瀬さんが謝る。

「私は気にしてないわよ。」

というか救われたわというお礼は、心の中で言うことにする。

「でもさー、ほんとに面白いんだよ!だって、女の子友達が霞ちゃんしかいないからって好きな子を僕にしちゃうなんてー!」

??

今の聞き間違いかしら? “女の子の友達が私しかいない” って聞こえたけど。

ちらっと塔原を見上げると相変わらずのポーカーフェイスだったけれど、心なしか焦っているように見える。

「あれー、霞ちゃん知らないのー? 」

以外そうに、でもやっぱりか、とでいうように一ノ瀬さんがまた話し始める。

「実は僕、一ノ瀬 泉はね、正真正銘の“男の子”なんだよ!」

男の子?男の娘ではなく男の子ね。って、男の子!? 私ずっと勘違いしてたってこと?

「顔立ちがこうだから制服着てないと女の子に間違われちゃうんだよねー。まっ、でも霞ちゃんみたいに制服着てても気づかないって人もいるけど!」

にこにこと一ノ瀬さん (君?) は話す。

「ご、ごめんなさい。ずっと気づいてなかったわ。そうね、よく見えば制服ズボンなのね。」

本当にごめんなさい。
もう一度謝ると「そんなに謝ってくれなくていいよー!霞ちゃん優しいねー。」なんて笑われてしまった。

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