指輪
「ど、どこが」
あなたは、
そっと自分の左胸をおさえた。
「びょ、病気?」
「疲れたんだ」
「!?」
あなたは、左胸をおさえたまま、坂道の途中のわたしを見上げた。
「確実に、心が老いたよ。
流行を追う気力もなくなって、身なりを構わなくなって、家にいると寝てばかり」
(だけど、
見た目は、高校生のまま - )
大きく変わったのは、
高校の時には絶対に言わなかったであろうネガティブな言葉が、目の前の人物から発せられている。
「って言ったら、きみは喜ぶ?」
キツネにつままれた気分になった。
あなたは、
そっと自分の左胸をおさえた。
「びょ、病気?」
「疲れたんだ」
「!?」
あなたは、左胸をおさえたまま、坂道の途中のわたしを見上げた。
「確実に、心が老いたよ。
流行を追う気力もなくなって、身なりを構わなくなって、家にいると寝てばかり」
(だけど、
見た目は、高校生のまま - )
大きく変わったのは、
高校の時には絶対に言わなかったであろうネガティブな言葉が、目の前の人物から発せられている。
「って言ったら、きみは喜ぶ?」
キツネにつままれた気分になった。