妃候補なんて興味ありません!
☆☆☆
1時間ほどしてたとき、地下室内にはおいしいトマトスープが振る舞われていた。
「ちょっと、こんなときに非常識でしょう?」
とシーラを叱責する声もあれば、出されたスープを一口も飲まない姫君もいる。
それでもよかった。
姫君たちの気持ちが少しでも不安から遠ざかることができれば、料理だろうが下手な刺繍だろうがなんでもよかったのだ。
だけどその中で1人だけシーラの料理に「美味しい」と笑みをこぼした姫君がいた。
リディアだ。
リディアの頬は少しだけ赤みが戻ってきている。
「よかった。おかわりは沢山ありますから、どんどん食べてくださいね!」
現状に似つかわしくない元気なシーラの声に、リデェイアが歯を見せて笑う。
姫君たちが歯を見せて笑うことなど滅多にないのでシーラはそれに驚いた。
「ごめんなさい。扇子を部屋に忘れてきたので」
大きな口で食べたり、笑ったりするときには扇子で口元を隠すのがマナーだった。
「ここではそんなこと関係ないですわ。おかわりを入れてきましょう」
シーラが殻になった容器を受け取り、竈へ向かう。
その後をリディアがついてきた。
1時間ほどしてたとき、地下室内にはおいしいトマトスープが振る舞われていた。
「ちょっと、こんなときに非常識でしょう?」
とシーラを叱責する声もあれば、出されたスープを一口も飲まない姫君もいる。
それでもよかった。
姫君たちの気持ちが少しでも不安から遠ざかることができれば、料理だろうが下手な刺繍だろうがなんでもよかったのだ。
だけどその中で1人だけシーラの料理に「美味しい」と笑みをこぼした姫君がいた。
リディアだ。
リディアの頬は少しだけ赤みが戻ってきている。
「よかった。おかわりは沢山ありますから、どんどん食べてくださいね!」
現状に似つかわしくない元気なシーラの声に、リデェイアが歯を見せて笑う。
姫君たちが歯を見せて笑うことなど滅多にないのでシーラはそれに驚いた。
「ごめんなさい。扇子を部屋に忘れてきたので」
大きな口で食べたり、笑ったりするときには扇子で口元を隠すのがマナーだった。
「ここではそんなこと関係ないですわ。おかわりを入れてきましょう」
シーラが殻になった容器を受け取り、竈へ向かう。
その後をリディアがついてきた。