妃候補なんて興味ありません!
攻め入ってくる
シーラが作ったスープは結局すべて売り切れてしまった。

ブツブツと文句を言っていた姫君たちも時間が経つにつれてお腹が減ってきたのか、温め直したものを食べることになったのだ。

そのときは気まずそうな顔をしながら「ごちそうさま」と言ってくれたのでひとまず許してあげることにした。

「あとどれくらいの時間ここにいるのかしら」
リディアがつぶやく。
地下室へ来てから、もう5時間くらい経過しているはずだ。

幸いにも毛布やシーツがあるから眠るのに困ることもないだろうけれど、外の様子がわからないことは不安だった。

「少し、様子を見てみましょうか」
シーラが立ち上がったそのときだった。
頭上から複数の足音が聞こえてきたのだ。
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