妃候補なんて興味ありません!
時折男たちの怒号も入り混じり、混乱しているのが伝わってくる。
「なにかあったんだわ」

シーラはすぐに出口へと急いだ。
リュナも慌てて後を追いかけてくる。

「シーラ様、外へ出てはいけません!」
「少し確認するだけだから」

リュナへそう答えてドアを開けると複数の兵士たちが城の中を逃げ惑う光景が広がっていた。

「これは一体どういうこと!?」
敵は城の中までは入ってこないんじゃなかったの!?

だけど今の光景はどうみてもこの城の中に敵が攻め入ってきている様子だった。

「シーラ様、ドアを閉めてください!」
リュナの言葉にシーラは重たいドアを閉じた。

だけど敵軍にここを見つかれば、ここにいる姫君たち全員が犠牲になってしまうかもしれない。

シーラはその場に立ち尽くして拳を握りしめた。
「シーラ様、ねぇどうしたの? なにを見たの?」
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