妃候補なんて興味ありません!
仲良くなったリディアが近づいてくる。
「私、行かなくちゃ」

幼い頃から龍を使えるという異能があった。
それはいずれ役立つときがくると信じていた。

今がまさに、そのときだ。

たとえ異能使いとして死刑にされてしまったとしても、今ここで力を発揮しなければ沢山の命が奪われてしまうのだ。

「行くってどこへ?」
シーラはリディアの両肩を掴むと微笑んだ。

「大丈夫ですわ。リディア様はここにいてね」
シーラはそう言うと躊躇すること無くドアを押しのけて外へ出た。

この城の兵士たちが次々と逃げ惑う。

時に立ち止まって剣を抜く兵士もいるが、相手は銃を持っているようで圧倒的に不利な状況だ。

シーラは両足を踏ん張って敵軍へと向かう。
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