妃候補なんて興味ありません!
「いけません!」
敵軍を目前にしてそんな声が聞こえてきて振り向くと、そこにはリディアの姿があった。
リディアはシーラへ向けて懸命に手を伸ばしている。
「リディア、どうして!?」
驚いて声を上げた瞬間、敵軍に気が付かれてしまった。
「見ろ、姫様だ」
剣を持った赤色の甲冑姿の兵士が足を止めてこちらへ視線を向ける。
その声色からなにかよからぬことを考えていることは明白だった。
シーラは咄嗟にリディアの手を引いて自分の後に立たせた。
「シーラ様、逃げないと!」
「私は大丈夫。あいつらは私が引き止めるから、そのすきに逃げて!」
赤い敵軍ふたりがシーラとリディアめがけて走ってくる。
距離を縮められる前に龍を召喚して攻撃するつもりだった、そのときだ。
赤い兵士の後に人影が迫ってきたかと思うと、剣が振り下ろされ、ふたりはほぼ同時にその場に崩れ落ちたのだ。
なにが起こったのかわからず棒立ちになっているシーラの前に現れたのはフィリップ王子だ。
敵軍を目前にしてそんな声が聞こえてきて振り向くと、そこにはリディアの姿があった。
リディアはシーラへ向けて懸命に手を伸ばしている。
「リディア、どうして!?」
驚いて声を上げた瞬間、敵軍に気が付かれてしまった。
「見ろ、姫様だ」
剣を持った赤色の甲冑姿の兵士が足を止めてこちらへ視線を向ける。
その声色からなにかよからぬことを考えていることは明白だった。
シーラは咄嗟にリディアの手を引いて自分の後に立たせた。
「シーラ様、逃げないと!」
「私は大丈夫。あいつらは私が引き止めるから、そのすきに逃げて!」
赤い敵軍ふたりがシーラとリディアめがけて走ってくる。
距離を縮められる前に龍を召喚して攻撃するつもりだった、そのときだ。
赤い兵士の後に人影が迫ってきたかと思うと、剣が振り下ろされ、ふたりはほぼ同時にその場に崩れ落ちたのだ。
なにが起こったのかわからず棒立ちになっているシーラの前に現れたのはフィリップ王子だ。