妃候補なんて興味ありません!
だけど次の瞬間には両手を握られて、少し強引にステップを踏まされていた。
パーティーはパーティーでも街で行われるものとは別ものだ。

こんな風に元気にダンスする姫君なんて1人もいない。
だけどシーラとリディアにはそんなこと関係なかった。

今を楽しむようにステップを踏む。
長いドレスがとても邪魔に感じて、シーラは途中から裾を持ち上げ、白い足をのぞかせて踊り始めた。

「まぁ、はしたない」
上級姫たちのひそひそ声は羨ましそうな響きを伴っている。

楽しそうだけれど、とても真似できない。
ふたりは大きく口を開けて笑い、音楽が止まるまで踊り続けたのだった。
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