妃候補なんて興味ありません!
「もしかしてここを去るのが寂しいの? シーラは妃なんて興味なさそうに見えたけど?」

いつフィリップ応じに見られるかわからない状況で、堂々と井戸の水浴びをしていたくらいだ。

本気で妃を目指すのであれば、どれだけ熱くてもそんなことはできない。
「さ、寂しくなんてないわよ」
と、反論しながら自分の頬がカッと熱を持つのを感じる。

とにかく今はアピールタイムに入っているから、自分もなにかしなければいけないことに気がついた。

「仕方ない。またなにか作るか」

シーラはテーブルの上に乗っている食べ物たちへ視線を向けてそうつぶやいたのだった。
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