妃候補なんて興味ありません!
フィリップ王子はなにかを決心したように勢いよく立ち上がり、会場内の全員を見回した。
「俺は今決めた」
その言葉にアルバンが慌ててフィリップ王子に駆け寄った。
その耳になにか囁いているけれど、フィリップ王子に意に介さない様子だ。
「この国の妃としてふさわしいのは――」
会場内が一気にざわつく。
本来妃を決めたときにはちゃんとした手順を踏んでその発表が行われる。
さっきアルバンが耳打ちしたのはフィリップ王子の行動をたしなめるものだったのだろう。
だけどフィリップ王子は聞く耳を持たなかった。
まるで一国も早く妃を発表したいとでも言うように。
「シーラ姫。あなただ」
フィリップ王子の視線がシーラへ戻る。
シーラはポカンと口を上けて立ち尽くしてしまった。
「ま、待ってください! そんな、納得いきません!」
真っ青な顔になって1番姫が叫ぶ。
自分が選ばれると信じて疑わなかった彼女の唇はわなないている。
「彼女は異能持ちです! 異能持ちは処刑されるのが常でしょう!?」
1番姫の発言を火切りにして会場内はシーラへの非難の声で埋め尽くされていく。
そもそもシーラが選ばれることなんて絶対にないと思っていた。
「俺は今決めた」
その言葉にアルバンが慌ててフィリップ王子に駆け寄った。
その耳になにか囁いているけれど、フィリップ王子に意に介さない様子だ。
「この国の妃としてふさわしいのは――」
会場内が一気にざわつく。
本来妃を決めたときにはちゃんとした手順を踏んでその発表が行われる。
さっきアルバンが耳打ちしたのはフィリップ王子の行動をたしなめるものだったのだろう。
だけどフィリップ王子は聞く耳を持たなかった。
まるで一国も早く妃を発表したいとでも言うように。
「シーラ姫。あなただ」
フィリップ王子の視線がシーラへ戻る。
シーラはポカンと口を上けて立ち尽くしてしまった。
「ま、待ってください! そんな、納得いきません!」
真っ青な顔になって1番姫が叫ぶ。
自分が選ばれると信じて疑わなかった彼女の唇はわなないている。
「彼女は異能持ちです! 異能持ちは処刑されるのが常でしょう!?」
1番姫の発言を火切りにして会場内はシーラへの非難の声で埋め尽くされていく。
そもそもシーラが選ばれることなんて絶対にないと思っていた。