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慶太はそれに答えずに部屋のドアへと向かってあるき出した。
『ちょっと待って、どこへ行く気だい?』

男性が慌ててスマホを持って立ち上がり、慶太に駆け寄る。
そのとき写った慶太の目はうつろで、ここにいるのに遠くを見つめているように見えた。

『行かなきゃ。契約だから』
ブツブツと呟きながら男性の体を押しのけようとする。

『契約? なんのことだ? どこへ行くつもりだ?』
ただ事ではないと察したのか、男性の声が険しくなる。
『次は俺の番だ。順番を守って書かなきゃいけないから』

『書く? 花月の作品のことか?』
『順番通り、順番通り、順番通り』

それからの慶太はまるで壊れたレコードみたいに『順番通り』と繰り返しはじめた。
慶太が正常に戻ったのは、雷の音が遠くなり始めてからのことだった。
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