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各コーナには読書スペースも設けられていて、千穂は一階で選んだ本を2階の医学書スペースで読むのが好きだった。

きっと、市立図書館の中で一番静かで読書に最適な場所がここだ。
長テーブルの一番奥のパイプ椅子に座ってさっそくライトノベルを開く。

去年デビューしたばかりの作家の作品で、ホラーテイストなところが千穂のお気に入りだった。
普段から本格的なホラー作品から読みやすい子供向けホラーまで、とにかく怖い話ばかりを追いかけている。

そんなことだからお父さんお母さんからは性格が歪むと心配されることもあるけれど、千穂は将来自分でもホラー小説を書くことを夢見ている。

趣味半分、自分の夢を叶えるための勉強も兼ね備えているから、やめるつもりはない。

新人作家といえど大きなコンテストで賞を取ってデビュー後半年で3冊目の本を出版したとあって文章は読みやすく、そして千穂好みだった。

夢中になって読み進めていたときふと風を感じて本から顔を上げた。
いつの間にか窓が開いていて風が吹き込んできている。
外は暗くなり始めていて、1時間ほど経過していることに気がついた。
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