この小説の続きを探しています。
物語はまだ中盤だ。
今日はこれを借りて帰ろう。
そう思って椅子から立ち上がったときだった。

テーブルの上に見覚えのないほんが置いてあることに気がついた。
「あ、これ……」

最初見覚えがないと思ったそれは、千穂が昨日商店街の交差点に落ちているのを拾ったものだった。

中身はまだ読んでないけれど、根っから本が好きな千穂はそれをほっておくことができなかった。

「でも、カバンから出したっけ?」

昨日学校の帰りがけに拾ってからその存在を忘れてしまって、カバンに入れっぱなしにしていたはずだ。

でも元に本はテーブルの上に置かれている。
自分が気が付かない内に出してしまったんだろうか?

首をかしげつつ本に手を伸ばしたそのときだった。
急に突風が吹き込んできた千穂の長い髪の毛を揺らした。

バラバラと本のページがめくれていく音がする。
< 14 / 133 >

この作品をシェア

pagetop