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「細川正美さん?」
「そう。昨日の夜行方不明事件についてもっと調べてみたんだ。そしたら住所が出てきた」

「個人情報を書き込むなんて最低なヤツがいるんだね」
「いくらでもいる。で、俺がメモしてきた住所はたぶん本物だと思うんだよな」

慶太はそう言ってスマホを取り出して、地図アプリを起動させた。
予め住所入力をしていたようで、すぐに目的地が表示される。

「市内だし、ここから自転車で30分くらいの場所だった」
「でも、急に行くの? 絶対に追い返されるよ?」

「それなんだけど、今回は細川さんの友達のフリをしようと思うんだ。市内のお祭りで知り合ったとか、なんとか言って」

「そんなことできる?」
「できなくてもやらなきゃヒントが掴めないだろ?」
「友達のフリして両親に会えたとして、それからどうするの?」

「行方不明になったことを今まで知らなかったことにして、当時の話を聞いて見たいんだ。記事に乗ってた以上のことがなにかわかるかもしれないから」

そこまで考えていたことに香は驚いて大きく息を吸い込んだ。
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