この小説の続きを探しています。

慶太が身を乗り出して質問する。
回りくどいことをするのが面倒になってきたのかもしれない。

香はどうにか慶太の腕を引っ張って、女性に近づき過ぎないように阻止した。
「さぁ？　そういう話はなにも聞いてないけど」

「……そうですか」
明らかにガックリと肩を落とした慶太を後方へおしやって、香は笑顔で頭を下げた。

「ありがとうございました。これ、読み終わったらすぐに返しにきますね」
「あら、ゆっくりでいいのよ？」

「そいういうわけには行きません。あの、それじゃ、本当にありがとうございました」

これ以上ここにいるとボロが出てしまう。
その前に香と慶太は退散したのだった。