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慶太はなにかのヒントになるかもしれないからと持ち歩いていた本を取り出し、香に手渡した。
香はその一番最後の文章を声を出して読み上げた。

「正美が目をあけたのは、その人物が目の前に来てからだった。
正美が大きく目を見開いたのと、黒服の人物が正美の体を抱え上げたのはほぼ同時だった。

正美は悲鳴を上げる暇もなく車の後部座席に押し込まれたのだった」
黒いバンと黒ずくめの人物。

細川正美はここで物語と同じ人物に誘拐されたんだろうか?
だけど、人を誘拐するのはそれなりの理由があるはずだ。

たとえば身代金目的とか、人身売買とか。
もし後者だった場合を考えて香は青ざめた。

人身売買だとすれば、細川正美はもう日本にもいないかもしれないんだ。
「香、カメラ!」
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