この小説の続きを探しています。
☆☆☆

堀田千穂のマンションをあとにしたふたりは近所の公園にやってきていた。

こうして外にいるとどんどん体の体温が奪われていくけれど、毎回ファミレスに行くようなお金もなかった。

香と慶太は冷えていく体を温めるように身を寄せ合って今までの話を整理していた。

「まず最初にこの本を手にしたのは細川正美。正美は学校内で友人から怖い話を聞いて、その通り交差点でいなくなった」

「ちょっと待って?」
慶太の言葉に香がストップをかけて、本のページをめくる。

そして1話目を読み直しはじめた。
「違うよ慶太。細川正美は本を手にはしてない」

1話目の内容は学校で都市伝説を聞いたとある。
この本についてはなにも書かれていないのだ。
「本当だ。それじゃ、どうしてこの本に細川正美の名前があるんだ?」

慶太が頭をかいて呟いた。
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