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第3話目(永井慎二の物語)
第3話目(永井慎二の物語)
永井慎二がその日市立図書館へ行ったのはまったくの偶然と言ってよかった。
もう閉館時間が迫っていたし、借りたい本があるわけでもなかった。
母親に頼まれた買い物帰りに偶然図書館の前を通っただけだった。
「あれ、あいつなにしてんだ?」
スーパーの袋をガサガサ言わせながら帰路を歩いている中、見知った後ろ姿を見つけた。
后岡中学校に通う中村慶太だ。
慶太は中学生にしては背が高くて手足が長く、ちょっとガニ股に歩く癖がある。
友人なら後ろ姿だけで安易に慶太本人だと気がつくことができるのだ。
友人の後ろ姿をしばらく見つめていた慎二だけれど、その姿が大きくて立派な建物内へ入っていくのを見てそこが市立図書館だということに気がついた。
普段あまり縁のない場所だから、生活圏内にあるにも関わらずほとんど意識したことはなかった。
入り口前で建物を見上げてみると、惚れ惚れするほど細部にこだわっている作りだということがわかった。
永井慎二がその日市立図書館へ行ったのはまったくの偶然と言ってよかった。
もう閉館時間が迫っていたし、借りたい本があるわけでもなかった。
母親に頼まれた買い物帰りに偶然図書館の前を通っただけだった。
「あれ、あいつなにしてんだ?」
スーパーの袋をガサガサ言わせながら帰路を歩いている中、見知った後ろ姿を見つけた。
后岡中学校に通う中村慶太だ。
慶太は中学生にしては背が高くて手足が長く、ちょっとガニ股に歩く癖がある。
友人なら後ろ姿だけで安易に慶太本人だと気がつくことができるのだ。
友人の後ろ姿をしばらく見つめていた慎二だけれど、その姿が大きくて立派な建物内へ入っていくのを見てそこが市立図書館だということに気がついた。
普段あまり縁のない場所だから、生活圏内にあるにも関わらずほとんど意識したことはなかった。
入り口前で建物を見上げてみると、惚れ惚れするほど細部にこだわっている作りだということがわかった。