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花壇があるけれどなにも植えられておらず、雑草が生えないようにシートが被せられている。

「お邪魔します」
男性にひとこと言ってから玄関へ入ると目の前に短い階段が現れた。

その奥はドアになっていて部屋の様子はわからない。
「花月の書斎は2階だよ」
男性が先に立って進んでいく。

階段は急で、下手をしたら足を踏み外してしまいそうだ。

このあたりは昔、狭い土地に所狭しと家が建てられたようで、家の中は少し窮屈さを感じるくらいだ。

「ここだよ」
階段を上がって右手の部屋に通されると、そこは8畳ほどのフローリングだった。

家の年代から考えると、ここだけ新しく感じられる。

「もともとこの家は僕の祖父母が購入した家なんだ。購入時この部屋は6畳だったけど、祖父母が改装工事をして8畳になった。この部屋だけでもキレイになっていてよかったよ。
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