この小説の続きを探しています。
花月にとって部屋は落ち着く場所でありながら仕事をする場所でもあるからね」
西羽咲のことを心から考えている様子の男性に、香は顔がにやけてしまった。

「これが仕事用のパソコンですか?」
部屋の中には白いコタツテーブルがあり、その上にノートパソコンが置かれている。

パソコンの周りには小説に必要なのだろうか、なにかの文献や走り書きしたメモが散乱している。

慶太はそのパソコンを指差していた。

「そうだよ。花月がいなくなったとき、なにか残されていないか調べたんだ。その中に君の持っていた本と同じ文章を読んだんだ」

男性はそう言いながらノートパソコンを立ち上げた。
パソコンにはロックがかけられておらず、すんなりと入ることができた。
案外不用心な性格をしていたのかもしれない。

「いなくなる数ヶ月前から花月は憑かれたように小説を書いてた。書き終わったら数日間休憩を挟んでいたのに、それもしなくなって、毎日毎日、なにかを書いてた。きっと、心の病気だったんだ」

男性が手元を操作して問題の文章を表示させた。
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