愛を知って涙に幸あれ。

「やっぱり?」
「でも、優莉。またそれを自分のせいだと思ってるんだとしたら、それは違うぞ?優弦は、恋愛出来なかったんじゃなくて、しなかっただけだ。」

幹ちゃんはそう言うと、わたしが持つレジ袋を持ってくれ、「ほら、寒いから中入るぞ。」と言って、すぐそこにある自宅マンションへと向かって歩き出した。

わたしは幹ちゃんのあとを追うと、隣を歩き「幹ちゃん、ありがとう。」と言った。

「何が?」
「何てゆうか、、、わたしが傷付かない言い方をしてくれて。」
「別に俺は嘘はついてないからな?それなら、優莉はどうなんだ?」
「え?わたし?」
「今まで彼氏、いたことあんの?」

幹ちゃんの言葉にわたしは「、、、無い。」と答えた。

「何で?優莉だったら、モテるだろ。」
「そんなモテないよ!でも、、、彼氏が欲しいって、思ったことないかも。いつもお兄ちゃんからの愛情を感じてきて寂しくなかったし、お兄ちゃんが一緒なら何でも楽しかったから。」
「それは優弦も同じだったからじゃない?可愛い妹がそばにいて、恋愛のことなんて頭になかったんだよ。」

そう話しながら、わたしたちはマンション内に入り、エレベーターに乗り7階に辿り着いた。

「でもさぁ、お兄ちゃんも幹ちゃんもモテモテだったよね?!中学の時、二人で歩いてたらキャーキャー言われてたでしょ?」
「あれは、優弦がキャーキャー言われてただけだ。俺じゃない。」
「そんなことないよ!わたしの友達で幹太先輩かっこいいー!って言ってる子いたもん!」

幹ちゃんはわたしの言葉に表情一つ変えず「その子、変わりモンだな。」と呟くように言って、家のドアの鍵を開けた。

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