愛を知って涙に幸あれ。
「"ごめんな"じゃないよ!謝るくらいなら、戻って来てよ!お兄ちゃん!」
わたしはベランダの窓に近付くと、しゃがみ込んで窓ガラスに手をつけた。
すると、曇ったガラスに書かれた"ごめんな"がゆっくりと消えてきた。
「お兄ちゃん!行かないで!!」
わたしはそう叫んだが、消えてゆく速度は止まらず、そのままお兄ちゃんの"ごめんな"は消えてしまった。
「お兄ちゃんの、、、馬鹿ぁ、、、」
わたしは泣きながらそう言い、窓ガラスに手をつけたまま涙を流し続けた。
「優莉、、、」
そう言いながら、幹ちゃんはわたしのそばまで来てくれると、わたしのすぐ後ろにしゃがみ、わたしの背中を撫でてくれた。
幹ちゃんの言う通り、メロンパンを落としたのはお兄ちゃんだった。
まだこの世に残ってるんだ、、、
まだ、この家に居るんだ、、、
それはやっぱり、わたしのことが心配だから成仏出来ないの?
わたしが心配かけなければ、安心して成仏出来るのかな?
わたしはしばらくお兄ちゃんの"ごめんな"の文字が頭から離れず、幹ちゃんに背中を撫でられ、寄り添ってもらいながら泣き続けていた。