愛を知って涙に幸あれ。
「も、もしもし?」
「あ、優莉?てか、、、どうした?声震えてるぞ。大丈夫か?」
「えっと、、、幹ちゃん、あのね、、、」
「今、会社?」
「うん、、、」
「俺、今日は早めに仕事終わったんだ。これから迎えに行くから、待ってろ。」
「ありがとう、、、」
幹ちゃんとの電話が終わると、白浜さんは低い声で「かんちゃん、、、?誰?」と訊いてきた。
「あ、か、彼氏です。わたし、彼氏がいるので、、、だから、白浜さんには申し訳ないんですけど、そのお気持ちには、お応え出来ません。ごめんなさい。」
「彼氏、、、」
「今、迎えに来てくれるみたいなので、これ終わらせて帰りますね。カフェオレ、ご馳走様です!」
わたしは必死に笑顔を作り、白浜さんとのこの複雑な空気を変えようとした。
わたしがパソコンに向き合い、仕事を終わらせようとしていると、白浜さんはデスクに頬杖をつき、ずっとこちらを見ていた。
早くここから抜け出したい、、、
幹ちゃん、早く迎えに来て、、、
すると、再び着信があり、電話に出ると「着いたぞ。」と幹ちゃんの声が聞こえてきた。
わたしは「今行くね。」と言うと電話を切り、慌てて帰る支度をした。
「それじゃあ、お先に失礼します。」
そう言って、わたしが急いで会社を出ようとすると、後ろから「諦めないから。」と言う白浜さんの声が聞こえた。
わたしはその声に少し足を止めてしまったが、敢えて反応せず、ドアを開けて階段を駆け下りた。