愛を知って涙に幸あれ。
会社の外に出ると、会社の入口の目の前に幹ちゃんの車が停まっていた。
わたしは駆け寄ると、急いで助手席に乗り込んだ。
「お疲れ。」
焦るわたしにそう言う幹ちゃん。
わたしは「お疲れ様。幹ちゃん、ありがとう、、、」と言い、幹ちゃんの姿を見て安堵した。
「どうした?何かあったんだろ?」
「それが、、、そのぉ、、、」
「ゆっくりでいいから話してみろ。」
幹ちゃんはそう言うと、車を発進させた。
「残業してたら、、、先輩の白浜さんって人に、、、告白されて、、、」
「おぉ、やっぱりモテるんじゃん。さすが優弦の妹だな。」
「いや!そうじゃなくて!何か、、、怖かった、、、」
「うん、電話の優莉の声、震えてたからな。だから、何かあったんだと思って急いで来た。」
やっぱり幹ちゃんは勘付いてくれてたんだ。
だから、何も言わなくてもすぐに迎えに来てくれたんだ。
「で?何て返事したんだ?」
「それは、、、ごめん!幹ちゃん!わたし、幹ちゃんのこと彼氏だって言っちゃった!」
わたしがそう言うと、幹ちゃんは「何で謝んだよ。別にいいよ。」と言った。
「それで、諦めてくれたか?」
「、、、帰り際に"諦めないから"って、、、言われた、、、」
「そいつ、、、危ねぇーな。とりあえず、優莉が無事で良かった。」
そう言って、幹ちゃんは運転しながら、片手をポンッとわたしの頭に手を置いた。
幹ちゃんはわたしが元気がない時、度々頭に手を置いてくれる。
わたしはこの幹ちゃんの手が、好きだった。