愛を知って涙に幸あれ。

それから幹ちゃんの車に乗ると、わたしは安堵から身体の力が抜け、胸に手を当て「はぁ、、、怖かったぁ、、、」と呟いた。

「優莉、ごめんな。もっと早く迎えに来てれば、、、」

そう言って、幹ちゃんはわたしの頭にポンッと手を置いた。

「ううん。来てくれてありがとう。」
「何なんだ、あいつ、、、優莉に触りやがって、、、。もう優莉をここで働かせるわけにはいかない。」

幹ちゃんは苛ついた様子でそう言うと、車を発進させた。

「え、でも、、、」
「優莉があんな男がいる会社で働いてると思うと、心配で仕事になんねーよ。優莉、あんな会社辞めて、うちの会社に来い。」
「え?!でも、わたしSEの仕事なんて出来ないよ?」
「いや、優莉にSEの仕事を勧めてるわけじゃない。実は、うちの社長が秘書を欲しがっててさ。その秘書に優莉をどうかと思って。」
「秘書?!」
「別に難しい仕事はない。社長のスケジュール管理と電話と来客対応くらいだ。それにうちの会社は男ばっかだけど、社長は唯一の女性なんだ。」
「え!そうだったの?!」

わたしがそう驚くと、幹ちゃんは「優弦は、社長のお気に入りだったから。その妹の優莉を紹介したら、快く受け入れてくれると思うけど、、、どうする?俺は、うちの会社に優莉が来てくれた方が安心だし、優弦もその方が安心すると思うぞ。」と言った。

確かに、わたしもあの会社にこれからも勤めなきゃいけないと思うと不安だし、怖い。

それなら、、、

「わたし、、、もし、社長さんがわたしでもいいって言ってくれるなら、幹ちゃんが働く会社に行きたい。」

わたしがそう言うと、幹ちゃんは「分かった。すぐに社長に話してみるよ。」と言ってくれた。

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