愛を知って涙に幸あれ。

そして、次の日の土曜日。

幹ちゃんが「気分転換にドライブでも行くか!」と言い出し、わたしたちは出掛けることになった。

あてもないドライブで海沿いを走り、幹ちゃんは「あったかくなって来たら、桜見に行こうな。」と言ってくれた。

そっか、もう少しで春なんだ。

まだ歩道に雪は残っているけれど、道路にはほとんど雪が溶けて残っておらず、地面が見えていた。

わたしの中では、お兄ちゃんが居なくなった冬のままだけど、それでも季節は変わっていく。

わたしの心の中の季節も変わっていけるかなぁ。

それからわたしたちは、お昼にはスープカレーを食べ、ショッピングモールでブラッとして夜は居酒屋に行った。

久しぶりのお出掛け。
何だか、デートみたいで楽しかった。

「幹ちゃん、今日は外に連れ出してくれてありがとね。凄く楽しかった。」

わたしは帰りの車の中でそう言った。

すると幹ちゃんも「俺も楽しかったよ。たまには、二人で出掛けような。」と言ってくれた。

そして、自宅の駐車場に着き、"帰って来ちゃったなぁ〜"と思いながら、わたしが車のドアを開けようとすると、「優莉。」と幹ちゃんがわたしを呼んだ。

「ん?何?」

わたしはドアを開けようとする手を止め、幹ちゃんの方を向いた。

幹ちゃんは、真剣な表情をしてわたしを見ていて、それからわたしの頬に手を触れてきた。

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