愛を知って涙に幸あれ。
それからわたしは、幹ちゃんと一緒に出勤し、一緒に退勤する日々が始まり、社長秘書の仕事を少しずつ覚えていきながら、働きやすい環境で仕事をさせてもらっていた。
しかしそんなある日、システムトラブルがあり、幹ちゃんが残業することになってしまった。
「優莉、ごめん。俺、残業しなきゃいけなくなった。」
「分かったよ。じゃあ、わたし先に帰ってるね?」
「うん、ごめんな。」
わたしと幹ちゃんがそう話していると、横から原田さんが「あ、じゃあ!俺が優莉ちゃん送って行くよ!」と言い出した。
すると、幹ちゃんが「それはダメだ!」と原田さんを阻止した。
「何でだよ。幹太は残業なんだろ?それなら、代わりに俺が送るから!安心しろ!」
「安心出来ねーよ。」
幹ちゃんがそう言うと、社長室から紺野社長が出て来て「幹太、残業?」と訊いた。
「はい、ちょっとシステムトラブルがあって。」
「あら、じゃあ優莉ちゃん困るわね。」
紺野社長がそう言ったので、わたしは「大丈夫です、バスで帰りますから!」と言った。
「ダメよ。バスなんかで一人帰すわけにはいかないわ。タクシー呼ぶから、タクシーで帰りなさい。」
「いえいえ!大丈夫ですよ!」
「ダーメ。タクシー代は会社の経費で落とすから、支払いはしなくて大丈夫だからね。」
「紺野社長!そんなことまでしていただかなくても!申し訳ないです!」
わたしがそう言うと、紺野社長は「優莉ちゃん。この前も言ったけど、わたしは今までたくさん優弦に助けられてきてるの。優弦には恩返しをしたかったのに、出来ないまま突然居なくなってしまって、、、だから、代わりにって言ったらおかしいけど、優莉ちゃんには尽くさせて欲しいの。」と言ってくださった。