愛を知って涙に幸あれ。
「カレー作って待ってたよ。」
「うん、玄関入ってきたら良い匂いがすると思った。」
幹ちゃんはそう言うと、「ありがとう。」と言いながらわたしを抱き寄せた。
「いつもは、幹ちゃんが作ってくれてるから、わたしも出来る時は作らないと。」
「優莉、ありがとう。はぁ、、、疲れたぁ。優莉抱き締めてると癒やされる。」
「え、そう?」
「カレーの前に優莉のこと食べようかな。」
「ひぇ?!」
わたしは恥ずかしさから変な声で驚いてしまった。
すると、幹ちゃんは笑いながら「冗談だよ。腹減ったから、優莉の作ってくれたカレー食べたい。」と言った。
「うん!一緒に食べよ?」
そう言いながら、わたしの中で物足りなさがあった。
あれ?
今日は幹ちゃんがわたしに抱きついてもお兄ちゃんの反応がない。
"優莉のこと食べようかな"なんて言ったら、お兄ちゃんが怒りそうな気がするのに、何も起きなかった。
お兄ちゃん、、、どうしちゃったんだろう。
そう思いながら、わたしは幹ちゃんが着替えに行っている間にカレーを温め直し、すぐに食べれるよう準備をした。
そして、幹ちゃんと食卓につき、「いただきます!」と一緒にわたしが作ったカレーを食べ始める。
「うん、美味い!」
「本当?良かった!お兄ちゃんのカレーの作り方真似してみたんだけど、でもやっぱり、お兄ちゃんが作った方が美味しいなぁ。」
「俺、優莉が作ってくれたこのカレー、好きだよ。」
幹ちゃんはそう言って、どんどんカレーを食べ進めてくれた。
その幹ちゃんの姿に嬉しさを感じつつも、お兄ちゃんのカレーの味が恋しくなる自分がいた。