愛を知って涙に幸あれ。
その次の日からは、特にトラブルもなく、幹ちゃんは定時で仕事を終え、一緒に退勤出来るようになった。
コンコン
社長室のドアがノックされ、紺野社長が「はい。」と返事をする。
ドアが開き、顔を覗かせたのは幹ちゃんで「優莉、帰るぞ。」と言った。
幹ちゃんは定時になると、いつも社長室までわたしを呼びに来てくれるのだ。
すると、「あ、幹太。」と紺野社長が幹ちゃんに声を掛けた。
「はい。」
「明日って忙しい?」
「いえ、特別忙しいってことはありませんけど。」
「じゃあ朝、優莉ちゃんと出勤したら、一緒にここまで来てくれない?話したいことがあるの。すぐ終わる話だから。」
「はい、分かりました。」
「それじゃあ、幹太、優莉ちゃん、今日もありがとう。お疲れ様。」
紺野社長の言葉に幹ちゃんとわたしは「お疲れ様です。」と言うと「失礼します。」と社長室を出た。
そして退勤し、駐車場まで行って車に乗り込むと、わたしは「紺野社長、話があるって、何だろね?」と言った。
「んー、何だろな。すぐ終わるようなこと言ってたし、大した話じゃないだろ。」
そう言って、幹ちゃんは車を発進させる。
わたしは窓の外を流れる街並みを眺めながら、最近平和だなぁ〜と感じていた。
こんなに穏やかな生活が続いて、怖いくらい平和だった。